アルミサッシが変質!?掃除の強い味方の重曹とクエン酸の注意点
2017.4.18

重曹やクエン酸といえば、近年、自然にも住んでいる人にもペットにも安心・安全な掃除用洗剤として、広く用いられています。
しかし、重曹もクエン酸も、”何処にでも使える”万能洗剤というわけでは、決してありません!
特に、窓のアルミサッシ。ここを重曹で掃除してしまい、サッシを変質させてしまった、という失敗談は数多く耳にします。
これ等がが使えない場所はどんなところかをしっかり知り、有効に役立てましょう。
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アルミサッシの掃除に重曹は厳禁!? 性質を知らないと…
今や、重曹やクエン酸を使って掃除するご家庭が増え、常に家にあることも珍しいことではなくなりました。
実際、これらの使い勝手は高く、キッチンの油汚れから、お風呂の水垢のこびりつき、果ては靴の消臭にまで、多岐にわたって使える万能洗剤と言われるほどです。
が、決して、重曹もクエン酸も、”何処にでも使える・何に対しても有効ではある”とは言えません。
特に起こしがちな”失敗”に挙げられるのが、「重曹で窓のアルミサッシを掃除した」、「クエン酸で大理石のお風呂を掃除した」というもの。
こうした失敗は何故起きるのかというと、それは、それぞれの”性質”を知らないために起きるのです。
そして、しっかりと洗剤の性質を把握しておかなければ、誤って有毒ガスを発生させてしまう可能性すらあり、大変危険です。
もし、有毒ガスが発生してしまったら、自分のみならず、家族、そして時に周囲の人にまで命の危険を起こす可能性だってあるのです。
”もしも”を起こさないために、正しい知識を保つ必要があるんですね。
重曹をアルミサッシの掃除に使ってはいけない理由とは
何故重曹を使ってアルミサッシを掃除してはいけないのでしょうか?
それには、重曹が「アルカリ性」の性質を持つ物質であること、そしてアルミ=アルミニウムという金属は、酸及びアルカリ性の物質に弱く、溶けてしまうことが原因です。
これは、料理のシーンでも言えることです。
アルミニウム製の鍋(特に雪平鍋)を使っているご家庭は多いでしょうが、鍋自体の説明書には、必ず「重曹・お酢を使った料理には使わないこと」が明記されています。
実際、アルミ製の鍋で重曹を含んだ物を調理すると、黒く変色してしまいます。
※重曹により黒く変色してしまったアルミ製の鍋を、酸性の性質の物を使って元に戻す方法もありますが、コーティングが溶けてしまうことがありますから、安易にするべきではないでしょう。
そもそも、重曹が掃除に使えると言われるようになったのは、このアルカリ性の性質が、キッチンなどの油汚れ=酸性の汚れに効果を持つことが所以です。
確かに、料理にも使われるほどですから、人にも自然にも優しいものですが、決して全ての物質に対して悪影響を起こさないわけではない、という点は知っておかなければなりません。
アルミサッシ以外にも、こんな場所の掃除に重曹はNG!
アルミサッシのようなアルミ製品以外にも、重曹が使えないものとして挙げられるものにはどんなものがあるのかを見ておきましょう。
- 畳
- 天然繊維(毛糸、絹含む)
- 木、竹製品(家具・フローリング含む)
- 漆塗りの製品
- テレビやパソコン、携帯の液晶画面
重曹は油を溶かす性質があることには触れました。
これは、フローリングの表面をコーティングしているワックスや、木・竹製品の表面に塗られたワックス、漆といったものも同様に溶かしたり痛めることを意味しています。
同時に畳のような植物を使用した製品、毛織物などの天然繊維に含まれる成分にも作用してしまい、変色や変質といったことが起きてしまうので、十分注意が必要です。
そして、こうしたものに関係ないように感じる各種電化製品の液晶画面ですが、十分に溶かしきっていない重曹の粒が、研磨剤のような働きをすることで、表面に細かな傷を付けることがあります。
クエン酸を使った掃除 NGな場所とはどんな場所?
では、クエン酸についてはどうでしょうか?
クエン酸は、その名の示す通り酸性の性質をもった物質ですから、以下のようなものには使用することは出来ません。
- 大理石や天然石
- セメント(タイルの目地を含む)
- 鉄・アルミなど錆びやすい金属
- ペンキ塗装されたもの
その性質から、重曹よりも、クエン酸を使えない場所のほうが想像しやすいかもしれませんね。
コーティングがされていないアルミや鉄にクエン酸がつくと、そこからサビ(腐食)が始まりますから、十分に注意したいところです。
そして、大理石などに代表される天然石も、酸性に弱い性質をもっていることが多いので、使用は避けたほうがいいでしょう。
と、ここで注意したいのが、セメントです。
セメントは玄関のたたきから、タイルを貼り付ける際の接着剤として広く用いられています。
そしてその主成分は、大理石と同じく石灰です。
つまり、大理石と同じく、クエン酸によって変質・変色してしまうのです。
クエン酸は水垢落としに強いため、お風呂にもよく用いられますが、タイル張りの浴室の場合には、目地が変色する可能性が高いので使用しないほうがいいでしょう。
重曹・クエン酸の性質を正しく理解し、これからも上手に役立てよう
クエン酸を用いる時に注意したい点がもう一つあります。
それは「塩素系の洗剤などと併用してはいけない」という点です。
最初に触れた、有毒ガスの発生の危険がある、というのがこれに当たります。
例えばお風呂掃除の際、水垢を落とすためにクエン酸を用いつつ、時短目的で同時にカビ取り用の洗剤を使う、というのは本当に危険です。
重曹・クエン酸に関わらず、掃除をする際には、複数の洗剤を同時使用をすることは絶対に避けましょう。
※ただし、重曹とクエン酸を同時に使い、その発泡力で掃除をする方法は存在します。
この時発生するガスは二酸化炭素であり、かつ危険性はないものですが、この2つを混ぜることは例外中の例外と考え、他の洗剤を混ぜることと同じと考えてはいけません。
使い勝手のいい重曹とクエン酸ですが、決して万能とは言えません。
それでも、やはり、他の合成洗剤に比べ、ずっと有効範囲が広く、かつ日々の掃除に役立ってくれるものです。
性質をしっかり把握し、これからも上手に使っていきたいですね。
- 窓のお掃除