キッチンにも、トイレにも! 掃除の強い味方、アルコールの使い方!
2017.4.3

普段の掃除に、あなたはどんな洗剤や薬品を使っていますか?
食器用洗剤や、カビ取り用のキッチン用ハイター、そして環境に優しい重曹、クエン酸を挙げる人もいるでしょう。
しかし、口に入るものを扱う場所ですから、出来るだけ無害で、かつ消毒効果のあるものを使いたいもの。
そんな時の、とっておきの味方が消毒用アルコール(エタノール)です!
このページの目次
掃除にアルコールが使えるの?普通のお酒とどう違う?
掃除にアルコール?エタノールって?普通のお酒とどう違うの?――と疑問に思う方もいるでしょう。
平たく言うと、そもそも”アルコール”と呼ばれるものの正式名称は”エチルアルコール”であり、略して”エタノール”と呼ばれているものです。
化学式的には、お酒に含まれているものと変わりありません。
消毒用アルコールも、飲むお酒と同じように、とうもろこしやさとうきびといったものを発酵させたもの。
その中から工業的に、不純物(お酒でいうところの旨味など)を取り除き、非常に高い純度にまで精製したものが、消毒・掃除に使用されるアルコールになるのです。
お酒と異なる部分は、とにかくそのアルコール濃度が高い点です。
掃除に最適とされる無水エタノールでは濃度が99.5%以上であり、消毒用アルコールでは76.9〜81.4%と、明らかに飲用アルコールとは異なります(なにより、旨味などはありませんし、飲用には適しません)。
こうしたアルコールは、ドラッグストア、ネット通販などでも購入できます。
掃除にアルコールを使う時の臭いは?成分は残らない?
こうしたアルコールを掃除に使う利点は、何よりその除菌効果にあります。
また、あまり知られていませんが、脱脂効果、つまり油汚れを浮かせる効果を持っています。
そして何より、お酒と同じ成分、つまり人体に無害なものを原料にしている点も、おすすめポイントと言えます。
つまり、キッチンや子供がよく触る場所に使用しても、乾いていれば何ら問題ありません。
掃除にアルコールを使う場合、独特のアルコール臭や成分が残るかどうか、気になる人もいるでしょう。
しかし、ご存知の通りアルコールは、揮発性、つまり蒸発するのが早く、換気を行えばすぐに臭いも消えてしまいます。
そして先に触れた通り、他の飲用アルコールと違い、糖分や旨味の元になる成分も除去されているため、乾いた部分がべたつくこともありません。(※)
※但し、アルコールの他に成分が含まれているような製品であれば、二度拭きなどが必要なことがあります。
掃除にアルコールを使う時、どれを用意すればいいの?
掃除にアルコールを使用する時、掃除箇所によって適した濃度のものを使うようにしましょう。
手垢や油汚れの強い場所の掃除に使用する場合は”無水エタノール”(濃度99.5%以上)を使うと効率よく、消毒をメインに考えたい時には”消毒用エタノール”(濃度80%程度)を使用します。
これは、アルコールの消毒効果が、80%程度の時に一番強いためです。
ですから、まずは無水エタノールを購入し、消毒に使う時には水または精製水で薄めるのが経済的にもいいでしょう。
使用方法は至って簡単です。
乾いた雑巾か、硬く絞った雑巾、またはティッシュペーパー等に含ませてから拭き掃除をするか、アルコール可のスプレー容器に入れ替えて散布するかです。
ただ、アルコールを電子部品の洗浄にも使うことがありますが、これは知識がある人だからこそ出来ることです。
アルコール不可、と記載されているものや、電子機器の周りで使う時には、スプレーではなく拭き掃除で使用しましょう。
アルコールを使った掃除例 どんな風に使うといい?
では、アルコールをどんな場所の掃除に使うと効果的なのか、その例をいくつか見てみましょう。
- 冷蔵庫・電子レンジなどの電子調理器具の内部掃除
- 調理器具の除菌
- 床掃除
- 赤ちゃんや子供のおもちゃの消毒
- ドアのノブの掃除・除菌
- 水回りの除菌・カビ予防
- 壁紙・砂壁に発生したカビの退治
- ガラス汚れ
- トイレの掃除
表面をさっと除菌したい時にはスプレーで、汚れを拭き取る必要がある時はスプレー後拭き取りなど、思い思いに使用しましょう。
電子機器の周囲で使用する時は、電源コードを抜いた状態で使用し、完全に乾いてから電源を入れるようにしましょう。
赤ちゃんが口にする可能性があるおもちゃを消毒する時は、必ず乾いてから渡してあげましょうね。
また、トイレなどの臭いが気になる場所で使用する時には、スプレー容器に詰め替える時に、同時にアロマオイルなどを一緒に入れるアイデアもあります。
ティートゥリー、ユーカリ、ヒノキなどの、消臭・消毒作用のあるアロマオイルと組み合わせて使うのがオススメです。
アルコールに弱い人でも使える?他に注意点はある?
アルコールに弱く、臭いですら酔ってしまうような人は、取り扱いに注意したほうがいいでしょう。
他の掃除用洗剤や薬品を使う時と同様、マスクを付けるといいでしょう。
同様に、小さなお子さんやペットのいる家庭では、子供のいる場所で過剰にスプレーするなどは避けましょう。
アルコールアレルギー・アルコール過敏症の人は、そもそも使用しないほうがいいでしょう。
病院での注射の前処置などで使用されるように、手肌についても問題はありませんが、蒸発する時に同時に肌の水分も一緒に蒸発してしまいます。肌荒れの酷い場合には、ビニール手袋などを着用しましょう。
そして、詰め替え容器などに入れ替えて使う際には、かならず容器が「アルコール可」であることを確認して下さい。間違っても、アルコール不可の容器や、他の洗剤の容器は使ってはいけません。
容器が溶ける、残った薬品と異常反応する可能性があります。
100均などでも、最近はアルコール用のスプレー・容器がありますから、こうしたものを利用しましょう。
また、塗装剤によっては、アルコールに弱いものもありますから、全体に使用する前に、まず目立たない場所でテストしてから、使用するようにしましょう。
さて、消毒用アルコールを使用する場合、一番注意しなければならないことがあります。
それは、「火気厳禁」である、という点です。
消毒用アルコール、無水エタノールと、呼び方は様々ですが、これらは引火性がある薬品です。
キッチンで使用する際には、必ず周囲に火がないこと(台所用給湯器などは種火も残っていないか要確認!)を確認した上で使用しましょう。